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2018 年間ベストソング20

 以前はてなダイアリーで同名ブログタイトルを運営してましたが、移管作業中全データをふっ飛ばして慌ててグーグルのキャッシュから必要な記事を保存しまくっているA3ですこんにちは。

そんな慌てん坊の僕が選ぶ今年の20曲。今年出たアルバムやシングルの収録曲ということでYOUTUBE発表時期は関係なく選んでます。

 

とりあえず洋楽のロックをこれほど聴かなかった年も無かったなというのが今年の感想です。 

 

 

 20.DENKI GROOVE - MAN HUMAN

アニメ デビルマンのテーマソングとして2018年初頭に発売されたシングル。

インタビューで石野君はこの曲について過去のストックに手を加えたみたいな事を言ってましたが、最近の曲調とは違うアッパーでタイトな出来にファンはこれぞ電気みたいな感想を抱いたようです。

来年は30周年アルバムも登場するということで、全く勢いが落ちない彼ら。これからも悪態をつきながら刺激的な作品を作ってもらえると良いな、と思うと共に、そろそろ名古屋飛ばしをやめてライブに来ていただきたいものです。

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19.八十八ヶ所巡礼 - 水木金

今までゆらゆら帝国フォロワーみたいなイメージが強く、バカテクでハードな曲調はカタルシス高いけどいまいち惹かれなかったのが、今年この曲及びアルバムで完全にふっ飛ばされ、過去のアルバムも全部漁るようになった。

アルバム収録曲の曲調はとてもきらびやかになり、ユーモアも増えて親しみやすくなったのが要因かも。マーガレット君は米津君のアルバムにもベーシストとして参加し異彩を放ってましたが、多分今もっとも演奏が上手いバンド。もっと人気が出ると思う。

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18.Edward - Let's Go 2 (ft. Mari Inoue)

ベルリン出身のテクノアーチスト4年ぶりの作品。

なんですが、多分ほとんどの人はこれ聴いて楽しいか?って思える超無愛想なミニマルテクノ。なんかアパートの隣人が部屋でごとごとやってる、くらいの異音にしか聴こえないかもしれません。

でもこの超絶前衛的な姿勢こそテクノの醍醐味なので、こういう人には頑張ってもらいたい。金が続く限り。

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17.Athlete Whippet - Dreams

サウスロンドンから登場の新人二人組。

政情が不穏なイギリスではダンスミュージックが渇望されながら踊る場所がなく、今違法レイヴが各地で起こっているそうです。

そういう不安定な時期こそ音楽が面白くなるって昔誰か言ってましたが、まさしくその通りの、新型ハウスミュージック。これからイギリスの音楽は地下的にあの90年から2000年代初頭のような音楽シーンが復活するかもしれません。

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16.堀込泰行 - WHAT A BEAUTIFUL NIGHT

兄ちゃんが刺激的な作品を出す中、意固地に渋い作品を作り続けるかと思っていた堀込弟君ですが、驚きのD.A.Nなどのコラボ作品を経てプロデューサーを立てた作り込まれたキラキラの作品を出してきました。

ボーカルが以前と違い若干無骨になった気もしますが、キリンジでのあの苦味のある捻くれたポップはここでも健在。これからも他のコラボを通して面白い作品を出して欲しいです。

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15.KIRINJI - 「時間がない」

活動順調な堀込兄さんですが、やっぱりボーカルがな、っていうのがありました。

しかし今回のアルバムは、そんな線の細い歌声を最大限に活かしたAORな作品で非常に気持ちよく、というか他のメンバーのボーカル配置も完璧で、ようやくバンドが確立されたな、という感じです。

「最初客が集まらなかったからやっぱトーストとコーヒー付けないとダメかな?」という伝説のコメントを残してくれた名古屋クラブクアトロののライブも超絶楽しかった。

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14.宇多田ヒカル - Play A Love Song

今年はツアーまでこなした宇多田さん。

誰かが「オルタナなイメージでポップソングを歌うのが林檎さん。ポップなイメージでオルタナな唄を歌うのが宇多田さん」みたいな事を言っていましたが正にそれ。

結構攻めた出来のアルバムも相変わらず今の時代としてはバカ売れで、ツアーチケットシステムも完ぺきにこなし評価が高い現代っ子の彼女。これからもいい人生を送ってほしい。

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13.BAD-HOP - Kawasaki Drift

僕みたいな愛玩犬のような大人しいおっさんが、なんでこういうの聴くのかってことですが、いや面白かった。ま、この曲だけですけど。でもこれはもう頭に離れなかったな。マイクリレーも良い。特にBenjazzy君が。

武道館ライブは全部自分で仕切り、グッズは高めに設定して資金を稼ぐ。これ大昔ジェームス・ブラウンがやってた手ですが、完全に踏襲してます。

彼らの登場以降今年は似たようなヤンキーテイストで仲間を並べてメンチ切るようなアーチストが増えた気がしますが、オートチューンでトラップなリズムっていうのはそろそろ飽き飽きしたので、来年は是非レコード漁りばっかしてる陰キャのヤンキーに登場願いたいものです。

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 12.ゆるふわギャング  - Palm Tree

二人共良くなった。

クールなNENEさんと熱いRyugo君の対比が素晴らしく、このシングルに至ってはAutomatic君の作る音がもはやアンビエントとも取れる静かな退廃美を感じさせる。

プロモでの二人も凄く絵になるし、客演すれば殆ど相手を食ってしまう。

そのうち本当にグラミーに呼ばれそうな、そんなスケールを感じさせる作品。

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11. Mella Dee - Passing Me By

またもイギリスはロンドン出身のテクノアーチスト。本名のRyan Aitchisでも活躍してるけど、ここでは記名を使って感性一発、ミニマルなフレーズでグイグイ上げていくパターンで盛り上げる。所謂RED2みたいな感じの作品ですが、それも24年前の作品。いまだに方法が有効なのは凄いな。

 

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10.FJAAK - DRAGS

イケメン3人組だったけど一人剥げてしまったテクノユニット。

僕はロウテクノという機材おたくが作り上げる作品が苦手で、あまりに音に酔すぎというか、ノイジーでインダストリアルな作品ばかりで敬遠してきました。

しかし彼らの場合、同じ機材おたくでありながら、使用する機材の音は控えめで、とにかく鉄槌のようなキックの音でフロアーにいる人達の足を動かす。このキックの音は一種の発明だな。いろんなライブイベントにも呼ばれ、今年は大活躍だった。きっと大きな存在になるでしょう。

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09.TOSHIKI HAYASHI (%C) - 「little life ft. Kan Sano & jjj

アルバムジャケの3つスピーカーが付いたラジカセ写真が印象的で購入したんだけど当たりだった神奈川のトラックメーカーによる作品。

JJJ君も今年客演でよく聴いたんだけど、今気付いて驚いたのは何気にKAN SANO君のキーボードも今年耳にしていたな、と。KIRINJIでもライブのヘルパーでそのクールな演奏を目にしたり。

STUTSさんとか彼とか今年は有望なトラックメーカーがピックアップされた年でありました。

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08.エレファントカシマシ - Easy Go

ほぼ放送事故。

だけど許される、そして笑顔になるテンションがここにある。アルバムはこの曲以外ここまでブチ切れた曲はなかったけど、同じくいい年こいたおっさんとして、このファイティングポーズ続ける宮本くんは頼もしい。

紅白での林檎さんとのコラボは怖いもの見たさで楽しみに待ちます。

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07.パソコン音楽クラブ - Inner Blue(Batsu Remix)

ネーミングが最高だなと。おっさん的には。パソコン、とか言われるとグッとくるじゃないですか。

そんな郷愁と共に鳴らされる音もまた80年台後半のテクノポップとも言えるYMOの浮気なぼくらを彷彿とさせる楽しい音楽。日本人が大好きなはずの電子音楽というジャンルにおいて、あまりに海外に向きすぎてなかなか面白い新人が出てこなかったので、こういうドメスティックな作風でこられると新鮮。今後が楽しみ。

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06.Benjamin Damage - Malfunction

カナダ出身のテクノアーチスト。老舗R&Sからの作品。

カナダのテクノアーチストといえばまずリッチー・ホウティンを思い出すんですがその彼はデトロイト・テクノの影響からあぁいった振り切れた作品を作ってきました。

で、この彼の場合は正にデトロイト・テクノそのものといったようなエモーショナルな作風で仕上げてきました。素直にルーツへの憧れを表したような。

聴いてて静かに気持ちが上がっていきます。

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05.Khotin - Vacation

カナダはバンクーバーのアーチスト。今年もテクノ産地ドイツ、イギリス、カナダのアーチストを聴き倒したことになります。そういやベルギーは聴いてないな。所謂ルーマニアンハウスも聴かなかった。

で、この作品まあ聴いての通りアンビエント作品でリズム無いんですけど、そういった作品は眠くなったり前衛的でとっつきにくかったりするじゃないですか。

彼の場合、リゾートミュージックで仕上げてきてます。なのでなんか判りやすいっていうか、あー浜辺の音ね、とかそういう感じでゆるく楽しめます。よく聴くと音はかなりヤバイんだけど。

なんとなく砂原君とかの姿勢とかぶる気が。彼の作品が好きなら結構楽しめるかも。

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04.ニガミ17才 / ただし、BGM

なに歌ってるんだか、どこ向かってるんだかよくわからない演奏と歌。だけど楽しい。凄く楽しい。

嘘つきバービーの人が中心になって作ったバンドで平沢あくびちゃんという超絶かわいい飛び道具を手にしたことでこの曲のプロモではなんと再生回数100万回超えを達成。その割にアルバム売れてなかったけどなんでだ。

まあ僕はアルバムを手にしたんですが、演奏の巧みさはまるでバトルズでも聴いてるみたい。複雑な曲調をさらっと聴かせる手腕は素晴らしい。凄く新しい日本のトーキングヘッズとも言えるスタイルでライブ見に行きたくなる。 

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03.KID FRESINO - Coincidence

Febb君が亡くなった今年、JJJ君もFRESINO君もその事実を背負いながら新しい一歩を踏み出しています。そしてFRESINO君は今年父親になったそうです。

この作品では生バンドでの共演、アルバムではエレクトリックだったりハウスだったりサンプリング主体のR&Bだったりあらゆるスタイルを飲み込んで、彼特有の英語と刺すような日本語を交えたクールな感触のラップで聴かせてくれます。多分今の日本のラップシーンの突端に彼は居ると思う。

これからもジャンルに捕らわれない自由なスタイルで音楽業界に新しい風を送り込んで欲しい。

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02.高岩 遼 - ROMANTIC

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01.SANABAGUN. - FLASH

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最後はこれ。

サナバガンリードボーカルである高岩君のソロとSANABAGUN.のアルバム。

ソロでは故・細川俊之さんばりのいい声でナレーションをしながら曲を展開するというクロスオーバイレブンのような作品を披露。

本隊では東山動物園のイケメンゴリラことシャバーニのような荒くれ者とクールな顔の2面性で楽しませてくれた高岩稜くん。

SANABAGUN.は今年SUCHMOSに再びメンバーを持っていかれつつ、相変わらずのどさ回りを続けているんですが、その会場に来る人は大体また足を運ぶようになります。

それくらいライブは、というかステージが作り込まれていて見ていて楽しい。来ないと判らないので何なんですが間違いないです。メンバーのルックスもステージでは最高で、また各人の演奏能力が本当に優れている。特にリズム隊、そしてギター。ホーンは嵐のようだし、ボーカルの高岩君は歌にラップに、どうしようもないMCどれをとっても巧み。そして全体をまとめ暴走する高岩君をコントロールする岩間君。2MCも含めこういうの今まで日本に居なかった。その点で凄く新しい。

けどまあそういうだけじゃ判る人にしか拡がらない。来年は皆に判らせるようなキャッチーな楽曲でお茶の間に攻めて行って欲しい。スカパラみたくテレビ映えするのでMステとかタモさんご存命中にでも是非。

 

今年はなんと言ってもChildish Gambino のThis Is Americaというとんでもない代物がありました。その影響は世界各国にも拡がり、ここ日本ではそのメッセージを上辺だけなぞった正にThis Is Japanなプロモも登場して速攻炎上する事態になったのももはや懐かしい感じです。

そんなChildish Gambinoの覚悟には感嘆しましたが、基本的に僕は最近の暴力や殺意みたいなものが満ち溢れるPVって、なんか作り易くない?って感じで正直あんまり好きじゃないので、来年はもう少し捻った感じのピースフルな悪意みたいなPVがもっと出てこないかなぁと思います。

 

ということで2018年はこんな感じ。サナバのおかげで珍しくクアトロに何度もライブで足を運びました。来年も沢山ライブに行ける年であると良いな。

 

足腰が丈夫なうちに。